資格名

非破壊試験技術者資格

資格の種類

民間資格

主催者

社団法人 日本非破壊検査協会

資格試験の概要

「非破壊検査」とは、“物を壊さずに”その内部のきずや表面のきずあるいは劣化の状況を調べ出す検査技術のことを言います。「非破壊試験技術者資格試験」は、金属や構造物を破壊せずに、その内部のきずや表面のきずあるいは劣化の状況等を調べ出す超音波検査や放射線検査など、ハイテク検査技術を使った検査をする技術者の技量を認定する資格試験をいいます。
試験は放射線透過試験・超音波深傷試験・磁粉探傷・浸透探傷試験など12種類の試験技法(NDT方法)ごとに行われ、それぞれの試験技法にはレベル1・レベル2・レベル3の技術レベルが設定されています。レベルは数字が大きくなるほど上位資格となり難易度が上がります。また限定NDT方法とは、NDT方法の中の特定技術のみを対象とした試験です。試験は放射線透過、超音波探傷、磁粉探傷、浸透探傷など12の試験技法(NDT方法)ごとに実施され、レベルに応じて受験資格を得るための訓練時間がそれぞれ定められています。受験するためには、受験するレベルに応じた訓練(講習会)を受ける必要があります。例えば、放射線系だと120時間の訓練が必要です。

<種類別のレベル設定>以下の12の試験区分があります。
・放射線透過試験:レベル1・2・3
・超音波探傷試験:レベル1・2・3
・磁気探傷試験:レベル1・2・3
・浸透探傷試験:レベル1・2・3
・渦電流探傷試験:レベル1・2・3
・ひずみゲージ試験:レベル1・2・3
・超音波厚さ測定:レベル1
・極間法磁気探傷検査:レベル1・2
・通電法磁気探傷検査:レベル1
・溶剤除去性浸透探傷検査:レベル1・2
・赤外線サーモグラフィ試験:レベル1・2
・漏れ試験:レベル1・2・3

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非破壊試験技術者資格試験は、20種類以上に分かれた資格の種類とレベルについて、(社)日本非破壊検査協会が認定規定JISZ2305に基づいて、技術者の技量認定試験を実施しています。
また、この試験の資格は、放射線・超音波・磁粉・浸透・渦電流・ひずみ測定の6部門があり、同じ認定規定JISZ2305によってJSNDIが認証する仕組みが作ら れています。全6部門すべてに精通している人が受ける資格として 「非破壊検査総合管理技術者」があります。これは昔、特級といわれていましたが、1998年に規格が改められて「非破壊検査総合管理技術者」になりました。非破壊検査技術者技量認定試験の有効期間は5年間です。更新するためには、5年目の有効期限日約4~5 ヵ月前に通知される「更新登録」と10年目に行う「再認証登録」があります。

◆非破壊試験と非破壊検査
「非破壊試験」とは、JISの用語で素材や製品を破壊せずに、きずの有無・その存在位置・大きさ・形状・分布状態などを調べる試験のこと。材質試験などに応用されることもあります。放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験、などがあります。 略記号はNDTを用いる。
「非破壊検査」とは、非破壊試験の結果から、規格などによる基準に従って合否を判定する方法のことを言います。略記号はNDIを用いる。

合格率・資格難易度

難易度
  レベル2   「B」  普通 

【資格の難易度レベル】
試験レベルは、レベル1~レベル3までに分かれて、レベル3が最高位。試験は一次試験(筆記)、二次試験(実技)があり、内容は放射線検査や非破壊試験概論など専門的な問題が多く、資格取得には専門知識、実務経験が不可欠です。本試験では実技試験もありますので、独学での突破は少し無理があります。もちろん日々現場で仕事を続ける中で勉強するのですから、どれも難しいのですが、中でもレベル3の試験は難関です。また試験種目別の合格率ではSM(ひずみ測定)が一番高く、MT(磁粉探傷試験)が一番低く、10%以下になることもあります。

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●合格率  
 ・2021年度春期非破壊試験技術者資格試験結果(JIS Z 2305) 
   レベル1 申請者数1,343名 合格者数497名 合格率 43.7%
   レベル2 申請者数5,543名 合格者数1,515名 合格率 30.2%
   レベル3 申請者数1,189名 合格者数121名 合格率 11.7%
・2020年度春期非破壊試験技術者資格試験結果(JIS Z 2305) 
  レベル1 申請者数1,807名 合格者数470名 合格率 36.9%
  レベル2 申請者数5,737名 合格者数1,142名 合格率 27.4%
  レベル3 申請者数1,286名 合格者数153名 合格率 15.3%
・2019年度春期非破壊試験技術者資格試験結果(JIS Z 2305) 
  レベル1 申請者数1,710名 合格者数603名 合格率 38.5%
  レベル2 申請者数5,884名 合格者数1,429名 合格率 25.8%
  レベル3 申請者数1,256名 合格者数116名 合格率 10.1%
※2019 年春期から JIS Z 2305 資格試験へ移行した赤外線サーモグラフィ試験
及び漏れ試験資格を加えた集計となっています。
・2018年度春期非破壊試験技術者資格試験結果(JIS Z 2305) 
  レベル1 合格率 38.8%
  レベル2 合格率 26.0%
  レベル3 合格率 11.8%
・2017年度春期非破壊試験技術者資格試験結果(JIS Z 2305) 
  レベル1 合格率 38.9%
  レベル2 合格率 26.1%
  レベル3 合格率 12.9%

受験対策・学習法ほか

この試験は独学では少し難しいので、試験対策は日本非破壊検査協会その他、各種団体で行うNDIの認定試験用の講習会を受講することをお薦めします。放射線や超音波などを使用し製品を傷つけることなく検査し、製品の安全性や品質を調査する技術者を認定する資格です。非破壊検査は製品に欠陥が存在していないかどうかチェックする技術であるとともに、事故原因の究明や耐用年数の予測などエンジニアリングには欠かせない検査技術となっています。




非破壊検査は製品に欠陥が存在していないかどうかチェックする技術であるとともに、事故原因の究明や耐用年数の予測など社会の安全確保に大きく貢献しており、エンジニアリングには欠かせない検査技術となっています。老朽化した建造物などを破壊しないで、放射線透過検査や超音波検査を行い、欠陥や疲労度などを検査しています。試験では、筆記試験と実技試験があり、レベル3の有資格者が最上級技術者で、非破壊検査の仕様書作成、検査方法の確認、報告書の作成等を行います。有資格者は、発電所、各種プラント、橋梁、道路、ビル、鉄道など、構造物に内在する欠陥、劣化の状況の調査の仕事を行い、構造物検査会社や、品質保証関連会社での業務をメインに活躍しています。製品や建物などが安全かどうかを、素材と構造部を破壊しないで欠陥や疲労度を調査する専門家のニーズは高く、非破壊検技術はこれからますます需要の多い資格となるでしょう。製造業従事者などにはお薦めの資格といえます。就・転職にも有利です。

受験資格

上記「資格の概要」欄に記載された12の試験区分において、技術レベルによりレベル1・2・3の資格試験があり、それぞれに規定された訓練シラバスに沿った訓練内容の最小限の訓練時間を満たしていること。
【各レベルの必要最小限の訓練時間】
●レベル1:過去5年間に最小限の訓練時間8~40時間(種目により異なる)を満たしていること。
 レベル1を新規に受験する者は、以下の最低訓練時間が必要です。
・放射線透過試験、超音波探傷試験、渦流探傷試験:40時間
・磁粉探傷試験、浸透探傷試験、ひずみ測定、超音波厚さ測定:16時間
・極間法磁粉探傷検査、通電法磁粉探傷検査、コイル法磁粉探傷検査、溶剤除去性浸透探傷検査、  
 水洗性浸透探傷検査:8時間
●レベル2:過去5年間に最小限の訓練時間16~120時間を満たしていること。
・放射線透過試験、超音波探傷試験 レベル2(80時間)
・磁粉探傷試験、浸透探傷試験、ひずみ測定 レベル2(24時間)
・過流探傷試験 レベル2(40時間)など細かく規定されています。
●レベル3:過去5年間に最小限の訓練時間20~72時間及びレベル2資格を所有していること。
 過去5年間において以下のいずれかの条件を満たしている者。
・NDT 関連書籍による個人的学習を行った者
・NDT 関連の研究・論文発表者
・NDT 関連の書籍解説等の執筆者
・NDT 関連の学術講演会又はセミナーへの出席者又は発表者
・NDT 関連の訓練コース
※レベル1の例
・非破壊検査の実施に重大な支障を及ぼすような心身上の障害がないこと。 
・満18歳以上であること 
・実務経験6ヶ月以上または講習会受講者(講習会の内容に準じた試験を受験できます)

試験方式

●(レベル1・2)新規試験
・1次試験:筆記試験(一般試験、専門試験) 四者択一
・2次試験:実技試験 
●(レベル3)新規試験
・1次試験:筆記試験 四者択一の基礎試験
・2次試験:筆記試験 四者択一の記述試験  ※レベル2資格非所有者は実技試験もあり。
・再認証試験:筆記試験 
・(レベル2・3)移行試験:筆記試験
●合格基準
 一次試験は全ての試験で70%以上取得
 二次試験は全ての試験で80%以上取得で合格

※1次試験、2次試験に不合格となった者は、1回に限り次回に行われる試験を再試験として受験できる。また、資格発効日から10年後の有効期限の2年前から半年前までに、取得した資格を継続させるための再認証試験が実施される。
※資格試験は、技術者の技能差が出やすいため、技術レベルを一定にする目的で、JIS Z 2305に基づき(社)日本非破壊検査協会が実施しています。

試験科目

●レベル3
・1次試験
(1)材料科学、製品・製造・加工の基礎知識
(2)認証機関の認証システムの知識
(3)4種類のNDT方法におけるレベル2の基礎知識
・2次試験
(1)関連したNDT方法のレベル3の基礎知識
(2)関連したNDT方法の適用、コード及び規格に関する知識、
(3)関連したNDT方法のNDT手順書の作成
●レベル2・1
・1次試験  非破壊検査概論・該当技術部門の知識
・2次試験  実技試験

スケジュール

●試験実施:
 1次試験 春期3月 秋期9月
 2次試験 春期5月~6月 
       秋期11月~12月
●申込期間:春期1月下旬~2月上旬   
                秋期7月下旬~8月上旬
●合格発表:春期7月 秋期1月
※時期、種別、NDT方法により異なる

 2023年春期 非破壊試験技術者資格試験日程(新規試験)

試験会場

・1次試験  札幌、千葉、東京、神奈川、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡、長崎
・2次試験  千歳、東京、大阪、名古屋、広島、福岡
※年度、時期、種別、部門によりに異なる場合があります。

受験料

●各種とも1技術部門ごとに18,700円(税込)

問い合わせ先

一般社団法人日本非破壊検査協会 認証事業本部  http://www.jsndi.jp/
〒136-0071 東京都江東区亀戸2-25-14立花アネックスビル10F
 TEL 03(5609)4014

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

協会主催の各種講習会 

教材(過去問集)

PTレベル2 一次一般試験問題
PT・PDレベル1 一次一般試験問題
PT・PDレベル2 一次一般試験問題
UTレベル1 一次一般試験問題

教材(テキスト・参考書)

非破壊検査試験対策教材

関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
 航空機産業における非破壊試験技術者資格の試験開始

●関連資格  
 建築鉄骨検査技術者  
 放射線取扱主任者
 エックス線作業主任者