資格名

秘書技能検定
※一般に「秘書検」や「秘書検定」という場合、この試験をさすことが多い。

資格の種類

民間検定試験

主催者

財団法人実務技能検定協会

資格試験の概要

多彩な才能が求められる秘書は沈着冷静な事務処理から人間関係の機敏に触れる折衝まで、多忙な上司を的確にサポートする手ごたえを感じ取れる職種と言えます。難関の1級ライセンス所有者はエグゼクティブから常に引く手あまたの状況で、将来性も高い存在です。
秘書検定は、試験の内容が実務にも役立つ内容であり、ビジネスの重要な場面ではもちろん、日常業務の効率化にも有効で、企業や学校から高い評価を得ています。そういうことから、いつもTOEICやMOS資格と共に、就職を目指す高校生から大学生に「就活に有利なオススメの資格」として紹介されます。試験ではスケジューリングやファイリングの基礎知識から、接遇マナーや文書作成技術、さらに経営学や会計に関する知識まで幅広い知識が問われるため、どの業界でも共通して活用できるスキルとして、エントリーシートや面接で十分アピールできる資格となっています。



試験は理論領域(・必要とされる資質 ・職務知識 ・一般知識)と、実技領域(・マナー・接遇 ・技能)を区分し、合計5つの能力を測り、それぞれの領域の60%以上を正解した受験者を合格とする文部科学省認定の検定試験です。
・受験級は、1級、準1級、2級、3級の4ランク。準1級以上は一次試験の他に二次試験があります。

合格率・資格難易度

難易度 
    1級 「B」 普通  
2級・3級   「C」 やや易  

【資格の難易度レベル】
3級は秘書になる適性と、必要な基礎知識の確認、2級は一般的な秘書能力を問う試験なので、どちらもテキストを十分読んで、大切なところを覚えれば合格は可能なので、独学で突破できます。
合格に必要な勉強時間の目安としては、3級の場合、独学で20~40時間(1ヵ月未満)でしょう。
1級は1次試験が記述式の筆記試験、2次は2人一組での面接など難易度が一気上がります。準1級と1級は3ヶ月程度の過去問などでの勉強時間と併行して通信教育を活用してもいいと思います。特に1級は、合格後も1年以内に英検2級以上、またはTOEIC470点以上など、指定された試験に合格することが条件になっていますので、さらに難易度レベルが上がります。

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●合格率   
 令和2年度秘書技能検定試験結果(第122回試験) 
  1級30.0% (受験者数1,084名 合格者数325名) 
  準1級39.9% (受験者数4,857名  合格者数1,936名) 
  2級64.1% (受験者数31,309名 合格者数20,061名) 
  3級81.9% (受験者数17,845名  合格者数14,607名)

※参考データ
・令和元年度秘書技能検定試験結果(第119回試験) 
  1級25.3% (受験者数1,044名 合格者数264名) 
  準1級44.1% (受験者数4,515名  合格者数2,770名) 
  2級48.9% (受験者数25,629名 合格者数12,523名) 
  3級52.5% (受験者数11,858名  合格者数6,220名)
・平成30年度秘書技能検定試験結果(第115回試験) 
  1級23.9% (受験者数1,090名 合格者数260名) 
  準1級40.5% (受験者数5,118名  合格者数2,073名) 
  2級54.1% (受験者数28,920名 合格者数15,637名) 
  3級55.3% (受験者数15,382名  合格者数8,508名)
・平成29年度秘書技能検定試験結果(第113回試験) 
  1級31.4% (受験者数1,092名 合格者数343名) 
  準1級37.2% (受験者数5,783名  合格者数2,152名) 
  2級54.0% (受験者数29,843名 合格者数16,129名) 
  3級66.3% (受験者数13,639名  合格者数9,036名) 

受験対策・学習法ほか

秘書としての仕事は経験不問の求人も多いように、資格や免許は不要です。従って、「秘書技能検定」の資格を持っているからといって必ず秘書になれるわけではありませんが、秘書として最低限求められている要素・能力を持ち合わせていることを証明することができます。そういう意味では、秘書を目指す人だけではなく、会社員としてのビジネスマナーを身につけたい人にもぴったりの検定試験と言えます。比較的短期間で取得できるのも、この試験の魅力の一つです。ビジネスマナー習得のためにはチャレンジする価値のある試験です。

試験内容は、5項目について問われます。1つ目は「秘書の資質」 、これは感じの良い印象、上司との良好な関係の維持、秘密保持などについてです。2つ目が「業務知識」。 これは人間関係の適切な維持や、職務における自分の権限の適切な維持についてなどについて。3つ目が「一般知識」です。 企業、会社の目的・組織、経営管理、財務会計、税法、マーケティングなどについて基礎的な知識が問われます。 
4つ目は「マナー・接遇」です。 適切に敬語を使うことができるかや、来客対応、電話対応、慶弔における秘書の業務などについての知識や技能です。5つ目は「技能」、会議の種類や形式、ビジネス文書、グラフ作成や日程管理、計画策定、ファイリング、出張管理、事務用品の購買など幅広い職場での能力や知識が問われます。
 

・2級、3級
独学でも合格できるレベルです。繰り返し過去問題を解くことで、出題と解答のパターンや考え方をつかむことができます。ただ、1級・準1級になると面接があるので、独学だけで合格するのは少し難しいかも知れません。スクールなどで講座を受けておいた方がよいでしょう。それと、受験対策の教材は「実務技能検定協会」のものを使った方が間違いなくいいと思います。
また、2級と3級、あるいは2級と準1級は同時に受験することをお薦めします。2つの級を同時に受験することで、最悪でも片方が合格する確率は上がるからです。
(注)受験用の参考書・問題集は「実務技能検定協会」発行の書籍が文句なしに良いと思います。2級ならこれで2~3周すれば大丈夫です。一般常識を学ぶにも向いた試験です。

・1級
面接試験合格時、または合格後1年以内に、次の資格(1つ以上)を取得することが条件となっています。
1.英検2級以上 2.和文タイプ3級以上 3.英文タイプCクラス以上 4.和文速記3級以上  5.英文速記60ワード以上6.ペン字3級以上 7.珠算3級以上 8.ワープロ3級以上。尚、1年以内に取れない場合は準1級合格になります。
1級合格に求められるレベルは、秘書の職務について理解を十分に持ち、専門的な秘書業務に関して、高度な知識、技能を発揮できること、面接試験による審査も加わり、さらに上記の資格取得が条件になります。言いかえれば、 1級保持者は、それだけステータスが高い人と言うことができます。履歴書にも記述でき、一定以上の評価を得ることも十分可能です。さらに自分自身の自信につながります。転職や就職にも有利であることは間違いありません。
現在秘書職に就いているひとならば、最低準1級レベルを目指して受験されることをお薦めします。
この検定試験は、一般的な社会人としての知識を試すものとも言え、男性も多く受験しています。 受験者の多くは、就職の武器にしようという大学生、短大生、高校生が占めており、すでに秘書として働いている人は、ほんの一握りのようです。受験生の職業別割合では、大学生が約40%、高校生約20%、専門学校生約15%、短大生約10%、会社員約10%といったところです。

秘書の平均的な年収は300万円~400万円、 派遣社員の場合なら時給の相場は1600~1800円です。今は高校や企業全体で秘書検定の取得を目指しているところもあります。
一般に派遣ならば時給1500円といったところが相場です、単純に時給で比較しても一般事務職に比べて給料が高いです。これはそれだけのスキルが要求されており、拘束時間や精神的、体力的な部分でも、一般職よりタフさが必要だということになります。

秘書の能力向上と専門性確立のための主な資格試験には、現在次のような試験があります。
・財団法人実務技能検定協会主催 「 秘書技能検定」(秘書検定、3級~準1級、1級)
・財団法人全国経理教育協会主催 「 秘書能力検定」(3級~1級)
この資格はどこの企業でも使える資格であり、1級を持っていれば就職に関してはかなり有望だといえます。企業によっては資格を取得するよう奨励しているところもあり、手当なども支給されているところもあります。
※日経ウーマン・アンケートによると、「仕事に役立っている資格」として、
1.実用英語技能検定 21.6%  2.TOEIC 20.9%  3.秘書技能検定 20.1%  4.簿記検定、簿記能力検定試験 19.7% という結果が出ている。
これら試験は難易度の高い試験ではなく、合格率50~55%くらい。独学の人が多い。
「秘書検定」の場合は、ビジネスマナーが身についているので、立ち振る舞いしやすいとか、普段はそこまで使う仕事ではないですが、ちょっとしたときに豆知識として役に立っています。また、名刺交換や書類の整理方法など実務に案外役に立つものが多い。また、履歴書の資格欄を埋めるために取得したのですが、事務職では宛名書きや手紙の書き方など、意外に役に立つ場面があるなどの意見が多いようです。

受験資格

学歴・年齢・性別・国籍などの制限はありません。誰でも受験できます。

試験方式

●一次試験
・3級 
理論は5肢択一問題/マークシート方式。 実技は5肢択一問題(マークシート方式)と記述問題
・2級 
理論は5肢択一問題/マークシート方式。 実技は5肢択一問題(マークシート方式)と記述問題
※「秘書の資質」5問+「職務知識」5問+「一般知識」4問+実技領域から「マナー接遇」9問+「技能」2問 計31問と、記述問題「マナー接遇」2問+「技能」2問 計4問の合計35問
・準1級 
理論、実技とも 50%が5肢択一問題/マークシート方式。 50%が記述問題
・1級 
理論、実技とも記述問題
●二次試験
・準1級 
面接 3人1組で、あいさつ・報告・状況対応をロールプレイング形式で行う。 
・1級 
面接 2人1組で、あいさつ・報告・状況対応・補足質問をロールプレイング形式で行う。 
※全級とも試験は「理論」と「実技」に領域区分され,それぞれの試験が60%以上の時合格となります。

試験科目

●科目(各級共通):全級共筆記は理論と実技から構成されています。
1.秘書の素質(理論)
2.職務知識(理論)
3.一般知識(理論)
4.マナー・接遇(実技)
5.技能(実技)

●レベル(求められる水準)
3級:オフィスでの基本的な知識と社会のマナーが問われます。
2級:一般的な秘書業務を行うための知識と技能が問われます。
準1級:たち振る舞いや言葉遣いなど、高いコミュニケーションスキルが求められます。

スケジュール

●試験実施:毎年3回実  
  ・2月上旬頃(2級と3級のみ)  
  ・6月下旬頃(全級)  
  ・11月上旬頃(全級)
●申込期間:
  4月上旬~5月下旬 
  9月上旬~10月上旬 
  12月上旬~翌年1月中旬
※1ヶ月程度で結果が発表されます。

  2023年度秘書技能検定試験日程

試験会場

北海道・東北・関東・中部・近畿・中四国・九州・沖縄のブロックで分かれている。
(全国の大学や専門学校内)
※自分の希望する地域のブロックを選択し、願書の「希望試験場ブロック」欄に記入する方式

受験料

・3級 2,800円(各税込) 
・2級 4,100円
・準1級 5,300円 
・1級 6,500円    

問い合わせ先

(財)実務技能検定協会 秘書検定部   http://jitsumu-kentei.jp/
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-4-15   TEL03(3200)6675

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