資格名

JTFほんやく検定試験

資格の種類

民間資格

主催者

(社)日本翻訳連盟(JTF)

資格試験の概要

「JTFほんやく検定」は、実践的な実務翻訳の技能を測る試験で、「商品として通用する翻訳」であるかどうかを重視するとされており、産業翻訳業界で通用する翻訳レベルを判定する検定試験です。実際に仕事をしている環境で一定時間内にいかに早く、的確に翻訳できるかが合否の分かれ目となる試験であるため「ほんやく検定」を受験することで受験者自身の翻訳力を客観的に測ることができます。
産業翻訳の需要は年々高まっており、翻訳の実務を担うフリーランス翻訳者や企業内翻訳者などにとっては、今後も活躍の場が広がっていくことが予測されます。こ

受験レベルには「基礎レベル」と「実用レベル」があります。基礎レベルは5級、4級それぞれの問題があり合否判定がでます。実用レベルは6分野の中から1分野を選択します。翻訳の完成度に応じて1~3級または不合格が判定されます。基礎レベルは実務経験が少ない方、現在翻訳を勉強中の方が対象です。また、実用レベルは、すでに在宅翻訳者、社内翻訳者、派遣翻訳者として実務経験がある方、プロとして専門分野の実力をさらに磨きたい方が対象になっています。レベルの高い検定なので、実用レベル受験は3年以上の経験があることが望ましいと思われます。

◆JTFほんやく検定関連情報
・JTFほんやく検定の実用レベル(英日・日英翻訳)特許分野は、NIPTA/JTF知的財産翻訳検定試験(日本知的財産翻訳協会、日本翻訳連盟(JTF)共同運営)へ統合されました。
これに伴いJTFが実施するJTFほんやく検定では、第71回(2019年7月27日(土)実施)より、実用レベル(英日翻訳・日英翻訳)特許分野の実施は行われません。
尚、第70回までの「JTFほんやく検定 公式問題集」および「JTF ほんやく検定 過去問題・解説集」には、第70回(2019年1月実施)まで実施されていた「実用レベル(英日翻訳・日英翻訳)特許分野」の課題および訳例解説が含まれており、NIPTA/JTF知的財産翻訳検定試験の内容とは異なりますので、今後受験予定の方で本書の購入を検討されている方はご注意ください。

合格率・資格難易度

難易度 
  実用レベル2級  「A」 難関    
  実用レベル3級  「B」 普通 

【資格の難易度レベル】
「ほんやく検定」では翻訳の完成度に応じて級が認定されます。専門家の翻訳であると認定されれば1級、実務レベルの翻訳であれば2級、ある程度の実務に通用するレベルならば3級と判定されます。実用レベルとして活用できるのは2級以上ですが合格率は約5%前後で、かなりの難関です。
実用レベルの試験で1級・2級に認定される翻訳者はごくわずかですが、もし取得できれば優秀な産業翻訳者としてその実力を証明できます。TOIEC800点以上の英語力を持っている人でも、1級に合格することは簡単ではありません。ほんやく検定の場合は、語学力に自信がある方でも、最初は3級くらいから挑戦するのがいいでしょう。

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・合格率  
2022年JTF ほんやく検定試験(第76回・77回)結果 
 受験者総数819名 合格者数246名  
 合格者数(合格率)
【実用レベル・英日翻訳】1級:1名(0.3%) 2級:18名(5%) 3級:56名(14%)
【実用レベル・日英翻訳】1級:7名(3.2%) 2級:16名(7%) 3級:41名(19%)
【基礎レベル】 4級:59/117名(50%) 5級:48/95名(51%)

※参考データ
・2021年JTF ほんやく検定試験(第74回・75回)結果 
 受験者総数1,101名 合格者数337名  
 合格者数(合格率)
【実用レベル・英日翻訳】1級:6名(1.2%) 2級:24名(5%) 3級:81名(16%)
【実用レベル・日英翻訳】1級:15名(4.7) 2級:22名(7) 3級:51名(16)
【基礎レベル】 4級:73/138名(53%) 5級:65/122名(53%)
・2019年JTF ほんやく検定試験(第70回・71回)結果 
 受験者総数1,040名 合格者数296名  
 合格者
【実用レベル・英日翻訳】1級:3名 2級:21名 3級:64名
【実用レベル・日英翻訳】1級:5名 2級:20名 3級:41名
【基礎レベル】 4級:79/144名 5級:63/105名
・2018年JTF ほんやく検定試験(第68回・69回)結果 
 受験者総数1,166名 合格者数306名  
 合格者
【実用レベル・英日翻訳】1級:12名 2級:14名 3級:80名
【実用レベル・日英翻訳】1級:6名 2級:18名 3級:65名
【基礎レベル】 4級:56/128名 5級:55/107名
・2016年JTF ほんやく検定試験(第64回・65回)結果 
 受験者総数1,131名 合格者数305名  
 合格者
【実用レベル・英日翻訳】1級:1名 2級:21名 3級:90名
【実用レベル・日英翻訳】1級:1名 2級:15名 3級:51名
【基礎レベル】 4級:61名 5級:60名 

受験対策・学習法ほか

「ほんやく検定」最大の特徴は、英検やTOEICと違い、辞書や本、パソコンなどの活用が許可されている点です。これは、実際の翻訳作業を想定しているためで、ほんやく検定がただの英語力を測定する試験ではないことがわかります。
試験は、語学力だけでなく、翻訳に必要とされる専門知識や文章構成能力などが審査されます。評価は、どれだけ難しい問題を解いたレベルではなく、訳の上手さで3~1級が判定されます。
「ほんやく検定」は、実践的な実務翻訳の技能を測る試験で、「商品として通用する翻訳」であるかどうかを重視しているのが特徴です。実際に仕事をしている環境の中で、一定時間内にいかに早く、的確に翻訳できるかを、厳格な採点基準で客観的に評価し認定する試験です。翻訳者に必要な幅広い教養と、各分野の体系的な知識、表現力を客観的に判定しています。

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4級・5級は基礎レベル。それぞれに課題があり、基礎語学能力および「翻訳のセンス」の有無を判定します。 試験のための作為的な文章や長文などではなく、一般社会問題および平易な科学技術問題が課題になっています。尚、5級では90%、4級では85%が高校卒業までに学習する英単語で構成されています。 
実用レベルも同様に、試験問題の分量はA4用紙1枚弱で、分量は多くないですが、2時間という限られた時間内で完成させるのは簡単ではありません。
受験対策は、語学力および専門分野の知識に加え、文書の目的に沿った文体で表現できなければなりません。英語の能力だけでなく、日本語の豊かな知識も必要となります。
有能な翻訳者を全国から発掘、選抜する事を目的に行われる能力判定試験であり、個人差はあるものの、合格には3年以上の勉強が必要でしょう。
受検者には女性の割合が高く、おおよそ男性35%に対し女性が65%前後です。これは翻訳という職業柄かも知れません。翻訳者として活躍するには2級以上の取得を目指したいものです。

実用レベル2級以上に合格すると、JTF(日本翻訳連盟)公式Webサイトにある「検定合格者リスト」(JTF(日本翻訳連盟)会員専用)とJTF(日本翻訳連盟)機関誌「日本翻訳ジャーナル」に自己プロフィールを登録掲載することができます。ここに登録することによるメリットは大きく、翻訳者として登録したいという翻訳会社が増え、JTF加盟の翻訳会社から実際の仕事を獲得する機会も広がります。1級を取得していれば、更に仕事の幅が広がり、 翻訳専門の会社、又は個人での翻訳業務など活躍の場は多岐にわたります。また特に、将来フリーランス翻訳者を目指している人にとっては、試験合格によって独立開業できる可能性が現実味を帯びてくることとなります。仕事の内容は、特許関係の書類、科学や医学分野の論文、ビジネス文書などの翻訳や、コンピュータのソフトウェアを日本語、あるいは英語で使えるようにする「ローカライズ」などがあります。
また、翻訳者にとって英語力や専門知識が重要なのは当然のことですが、それと同様に大切なのが日本語力です。広い知識や常識を身につける意味でも、文献や資料だけでなく、新聞や雑誌、さまざまな分野の本を読み、日本語のレベルアップをめざすことも必要なことのひとつです。そして最終的には、自分の専門分野を突き詰めることが、翻訳家としての成功の鍵になります。 

受験資格

受験資格は特にありません。誰でも受験できます。
※インターネットに接続されている環境で、基本的なPC操作ができることが前提となります。
「ほんやく検定」の受験手順詳細

試験方式

●試験方式:在宅のコンピュータ試験
試験は「基礎レベル」と「実用レベル」があります。基礎レベルは5級と4級。級別にそれぞれ合否判定します。実用レベルは、6分野の中から1分野を選択します。翻訳の完成度に応じて1~3級または不合格を判定します。
分野は、(1)政経・社会、(2)科学技術、(3)金融・証券 (4)医学・薬学、(5)情報処理、(6)特許 
●レベルと試験時間
1.基礎レベル5級: 英日翻訳3題/60分
2.基礎レベル4級: 英日翻訳2題および日英翻訳1題/60分
3.実用レベル英日翻訳:120分
4.実用レベル日英翻訳:120分
・併願可能です。
・審査結果は試験終了後2ヵ月以内に郵送で通知されます(受験者全員)。
※試験中に、各種参考資料、ネット検索、電子辞書や用語集などの翻訳支援ツールなどを自由に使用できます

試験科目

科目は全部で、「基礎レベル5級」「基礎レベル4級」「実用レベル英日翻訳」「実用レベル日英翻訳」の4つです。いずれも併願ができます。
・基礎レベル
基礎レベルの4級・5級はそれぞれに課題があり、基礎語学能力および翻訳のセンスの有無を判定する試験です。
〇基礎レベル5級:英日翻訳3題
 (判定基準)・英文読解能力(文章構造の完全な把握)・日本語表現能力(正しい日本語の記述)
〇基礎レベル4級:英日翻訳2題および日英翻訳1題
 (判定基準)
・原文読解能力(文脈および背景情報の理解)・英語および日本語の表現能力(母国語水準に近い自然な英語表現および、こなれた日本語表現)
・実用レベル 
実用レベルは1級・2級・3級共通で6分野あり、1分野を選択して受験します。翻訳の完成度によって、1級、2級、3級もしくは不合格の判定がされます
各級共通で6分野あり、1分野を選択します。翻訳の完成度に応じて、1~3級または不合格を判定します。
 出題分野(1)政経・社会、(2)科学技術、(3)金融・証券 (4)医学・薬学、(5)情報処理、(6)特許 
※「基礎レベル」「実用レベル」のレベル構成や出題分野の詳細はこちらを参照ください。

〇実用レベル英日翻訳
〇実用レベル日英翻訳
 ( 級の認定基準)
・1級:専門家の翻訳であると認定する。原文の情報が正確で分かりやすく、かつ適切な文体で表現されている。
・2級:完成度の点では1級には一歩譲るが、実務では十分に通用する翻訳であると認定する。
実務上では若干の修正が必要であるが、重大な誤訳はない。
・3級:内容理解力、表現力などの面で欠点もあるが、限られた時間内での作業、試験という特殊な環境などを考慮すると、実務で一応通用する翻訳力があると認められる。今後の自己研鑽が鍵である。
※実用レベル(3級~1級)は、専門的な分野ということもあり英単語の意味だけでなく、文章そのもののレベルが非常に高く、英単語の意味はもちろんのこと、文脈としてしっかりととらえることができないと解くことさえできないようなレベルです。日本語の知識も要求されます。



スケジュール

・試験日:年2回 7月の第4土曜日と翌年1月の第4土曜日
・申込方法:日本翻訳連盟のWebサイトから申込む(http://www.jtf.jp/)
・合格発表:9月下旬  翌年3月下旬   
※審査結果は、試験終了から2カ月後に郵送で通知されます(受験者全員)。検定サイトでも発表されます。

 2023年度第79回JTFほんやく検定日程

試験会場

インターネットによる在宅受験(申し込みから受験まですべてオンラインで行えます)
※インターネット受験:ネットに接続できるパソコンのある環境ならどこでも受験可能です。
※試験中には、日頃使っている電子辞書や用語集などの翻訳支援ツールの他、ネット検索も自由に使用できます。

受験料

・基礎レベル5級:JTF会員4,400円(消費税込み)、一般5,500円(消費税込み)
・基礎レベル4級:JTF会員5,280円(消費税込み)、一般6,600円(消費税込み)
・基礎レベル5・4級併願:JTF会員8,800円(消費税込み)、一般11,000円(消費税込み)
・実用レベル1科目(英日翻訳または日英翻訳):
     JTF会員8,800円(消費税込み)、一般11,000円(消費税込み)
・実用レベル併願(英日翻訳&日英翻訳):
     JTF会員13,200円(消費税込み)、一般16,500円(消費税込み)

問い合わせ先

一般社団法人 日本翻訳連盟   http://www.jtf.jp/
〒104-0031 東京都中央区京橋3-9-2 宝国ビル7F    
TEL03-6228-6607

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教材(過去問集)

JTF ほんやく検定 過去問題・解説集(日本翻訳連盟)

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JTFほんやく検定 公式問題集(JTFのオフィシャル教材) 

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●試験関連情報
「ほんやく検定」の実用レベル(英日・日英翻訳)特許分野は、NIPTA/JTF知的財産翻訳検定試験(日本知的財産翻訳協会(NIPTA)、日本翻訳連盟(JTF)共同運営)へ統合されました。

●関連資格
 翻訳実務検定TQE
 JTA公認翻訳専門職資格試験