資格名

舗装診断士

資格の種類

民間資格

主催者

(一社)日本道路建設業協会

資格試験の概要

舗装診断士資格とは、既設舗装の調査や、適切な維持・修繕工法の選定などができる高い専門知識を有する技術者を認定する民間資格です。舗装の効率的な管理・更新に寄与するために、日本道路建設業協会が新しく創設しました。舗装の診断とは、既設舗装の調査・評価及び維持・修繕工法の選定・設計、補修計画策定の支援であり、舗装の効率的な管理・更新に貢献するのが狙いです。
今後は、資格の運用実績を積み上げ、将来は国土交通相による評価・登録の対象資格として申請することを目指しています。

舗装診断士の業務は、目視・路面性状調査・構造調査などによる破損実態の把握、破損の程度の評価、原因特定、維持・修繕工法の選定、設計条件の整理、路面・構造設計、補修計画の策定支援などを想定しています。国交省は、公共工事の調査・設計などの業務内容に応じた知識・技術を持つ人の資格を評価・登録する制度を運用していますが、道路関連では舗装は対象外になっていました。そのため協会は舗装についても制度の対象となることを期待し、先行して民間資格として舗装診断士の運用を始めることにしたものです。

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舗装診断士資格試験に合格し、登録申請を行うことにより、(一社)日本道路建設業協会会長から資格者証が交付され、「舗装診断士」と称することができます。
舗装診断士資格の登録の有効期間は5年間。5年ごとに更新する必要があります。

※この試験は「受験の区分」があり、区分によって受験手数料や、受験申込時に必要な書類等が異なります。
・区分(1)
  必要保有資格が「1級舗装施工管理技術者」の者
・区分(2)
 必要保有資格が「技術士」、「特別上級・上級等土木学会認定資格」、「RCCM」のいずれか と「2級舗装施工管理技術者」の者
・区分(3)
 前年度の舗装診断士試験の択一試験のみに合格し、今年度の受験申込時に択一試験免除申請 を行い、記述試験のみ受験する者

合格率・資格難易度

難易度 
  「B」   普通

【資格の難易度レベル】
「舗装診断士」は舗装の診断に関する一連の作業ができる高い専門知識を有する技術者を認定する目的で、平成29年度に第1回の資格試験を実施した新しい資格です。日本道路建設業協会では、舗装診断士を舗装施工管理技術者資格の上位資格として試験を実施している通り、合格率も低く、難易度の高い試験です。また、舗装診断士は受験資格の面からもハードルが高い資格で、受験の基準が厳しいため、10代で合格することは基本的にはできない資格でもあります。試験では「記述式問題」が最大の難関です。四肢択一問題は独学でも問題ありませんが、記述式は独学では対応が難しくなります。独学で突破を狙う方には、記述式問題の攻略がポイントになります。講習会の受講も検討しましょう。

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●合格率  
 2021年度舗装診断士資格試験結果 
  受験者数1,242名  合格者数 206名  合格率 16.6%

※参考データ
・2019年度舗装診断士資格試験結果 
  受験者数2,023名  合格者数 483名  合格率 23.9%
・2018年度舗装診断士資格試験結果 
  受験者数2,653名  合格者数 347名  合格率 13.1%
・2017年度第1回舗装診断士資格試験結果 
 合格率 22.4%
 申込者数3,421名  受験者数3,037名  合格者数 679名

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受験対策・学習法ほか

舗装診断士がまだ新しい資格なので通信教育や専門学校などがあまりありませんので、受験対策は協会が推奨する参考書等を使って独学で突破する方法が主になります。ただ、試験で難易度が高いのが専門記述試験なので、記述式に不安がある方は、この科目だけの講習受講という方法もあります。
(例)一般社団法人 道路・舗装技術研究協会などが発行する参考書や過去問解説などを使用した独学での勉強。
●準備講習会費用:14,000円
●テキスト費用:4,000円(税・送料込)

この試験の受験者の大半は、1級舗装施工管理技術者の資格保有者ということを考えると、舗装診断士の合格率はかなり低く、かなり専門的な資格であると言えますが、合格するための勉強法としては、まず舗装に関する書籍を十分読みこなすことで、かなりの部分は対応ができるはずです。記述式試験は経験記述問題と専門記述問題で構成されています。記述問題はこれまで経験した業務について、技術的な問題点や課題を挙げて解決策とその評価を論ずる問題です。この試験の対策は、経験する仕事に対し常に問題意識を持って、施工や安全それと品質に改善点や留意点を見つけてその対策を考えて実施・評価する訓練を重ねていることが大事になります。さらに、それらを1ページにまとめる練習と、まとめ方も大切な要素になりますので、事前の準備から考えておかねばなりません。この試験では、このようにすでに一定の資格や、舗装関係の実務経験を持っている人が受験対象なので、今までの経験にさらに新しい資格や能力をプラスしたい、と考えている人に適しています。

舗装関係の業種では、1級と2級の舗装施工管理技術者は全国で約5万人が登録されています。これに対して、舗装の維持修繕を効率的に進めるに当たって、日本道路建設業協会は全国の道路管理者からの要望に対応するには1万人程度の舗装診断士が必要とみており、舗装施工管理技術者にも受験を促す方針を示しています。
また、国交省では、公共工事の調査・設計など、業務内容に応じた知識・技術を持つ人の資格を評価・登録する制度を運用しています。道路関連では橋梁とトンネルは対象施設となっていますが、舗装は対象外でした。日本道路建設業協会は舗装について「道路の構成要素として重要な役割を持っている」として、制度の対象となることを期待し、先行して民間資格でスタートしました。この資格の運用実績を積み上げ、将来は評価・登録の対象となる国家資格として申請することを目指しているのが「舗装診断士」です。このように国土交通省の評価・登録を得られる対象資格になることが期待されていることもあり、舗装診断士は建築・土木分野の新しい資格として、今後の展開が注目されています。

受験資格

【必要保有資格】
(1)1級舗装施工管理技術者 (2)技術士(部門:建設部門) (3)特別上級・上級等土木学会認定資格 (4)RCCM のいずれかの資格保有者であること。
尚、(2)~(4)の資格については「2級舗装施工管理技術者」資格を有している者。

上記の「必要保有資格」に示すいずれかの資格保有者で、7年以上の舗装関連業務(計画、調査、設計、監理・監督、工事、試験、評価、技術開発等)の業務経歴があり、さらにその中で、舗装の計画、調査、評価に関する1年(または3件:期間は問わない)以上の実務経験があること。
※業務経歴、実務経験は、必要保有資格の取得前の経歴・経験も有効です。

試験方式

試験は「択一試験」と「記述試験」で構成されており、記述試験は、「経験記述」と「専門記述」で実施されます。

●択一式試験:マークシート方式 / 試験時間 3時間
●記述式試験:経験記述と専門記述 / 試験時間 3時間

試験科目

試験の種類は、「択一試験」と「記述試験(経験記述)」、「記述試験(専門記述)」です。
●択一試験
舗装に関する基礎知識、舗装の管理、点検・評価、補修の計画・設計、補修工事に関する知識 及び技術者倫理等の項目から出題。
●記述試験(経験記述)
業務経歴から1業務を選定し、業務の概要、その中で果たした役割、技術的問題点や課題と解 決策、その評価等を簡潔に記述する形式。
●記述試験(専門記述)
舗装の破損の写真、当該箇所の交通量、地域・気象条件、地形等の条件等から、推定される破 損原因と根拠、実施すべき調査・試験、補修方法等を記述する形式や、道路建設時のデータ、 供用年数、交通量のデータ等から破損の状況等を掴む形式等。

※出題の項目、舗装診断士の知識として要求される概略の事項
  「舗装診断士試験 出題項目および舗装診断士の知識として要求される概略の事項等」

スケジュール

●試験実施:毎年6月第4日曜日
●申込受付:2月上旬~下旬
●申込方法:個人別に必ず簡易書留郵便で申込む
●結果発表:10月下旬頃

 
   令和5年度舗装診断士資格試験案内
   

試験会場

札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇

受験料

●受験の種類・区分と受験手数料
・択一試験・記述試験の受験(区分(1)、(2)の者)
 16,500円(消費税含)
・記述試験のみ受験(区分(3)の者(択一試験免除申請者))
 8,250円(消費税含)
※舗装診断士資格試験合格者の資格者証の交付:登録手数料6,600円
※登録更新申請手数料:6600円

問い合わせ先

(一社)日本道路建設業協会 検定企画課 舗装診断士試験事務局 http://www.dohkenkyo.com/ 
〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-5-1 東京建設会館3階
  TEL03-6280-5038   FAX 03-6280-5040

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

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教材(過去問集)

平成29年度第1回試験問題(記述試験問題・択一試験問題)

教材(テキスト・参考書)

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