資格名

教員採用候補者選考試験(公立学校)

資格の種類

地方公務員(公立学校) 

主催者

文部科学省

資格試験の概要

公立学校の教員採用試験は他の公務員試験と異なり、公立学校の教員を採用するため文部科学省が管轄し、都道府県及び政令指定都市の教育委員会によって行われ、その採用は競争試験ではなく選考試験によることが定められています。
市町村立の小中学校については都道府県教育委員会、また政令指定都市の市立小中学校は政令指定都市の教育委員会が採用試験を行い、市町村立幼稚園につ いては該当市町村の教育委員会が採用試験を行います。教員採用試験に合格すると、各教育自治体の「教員採用候補者名簿」に記載され、各学校の担当者と面談をしたのちに配属されます。合格しても即採用とはならないことが特徴です。
※私立学校に関しては、学校独自の選考方法が取られたり、自治体によっては私学適性検査が行われることもあります。私学適性検査の結果は各私立学校が教員採用時の参考資料として用いるとされています。

合格率・資格難易度

難易度 
  「B」   普通

【資格の難易度レベル】
教員採用試験のレベルよりは公務員試験の方が難易度は高いのですが、公務員試験よりも高得点が必要とされるところが、難関試験と言われるゆえんです。また、複数の都道府県(市)を受験する受験生も多いようで、採用試験を突破するには、計画的な準備と情報収集、効率的な試験対策が必要になります。近年、小学校の教員採用試験では多くの県や市で採用倍率の低下傾向が続いており、著しく低くなっている県市もあります。
尚、教員採用試験に落ちた場合でも、教員免許を持っていれば、私立の教員や公立の講師を目指すことは可能です。

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●合格率 
令和4年度採用試験実施状況
・小学校:受験者数40,636名 採用者数16,152名 倍率2.5
・中学校:受験者数42,587名 採用者数9,140名 倍率4.7
・高等学校:受験者数23,991名 採用者数4,479名 倍率5.4
令和4年度公立学校職員採用試験の実施状況

※参考データ
令和3年度公立学校職員採用試験の実施状況
令和元年度公立学校職員採用試験の実施状況
平成29年度公立学校教員採用選考試験の実施状況
・平成28年度教職員採用試験平均採用率
小学校:27.4%(14,699/53,606) 
中学校:14.0%(8,277/59,076) 
高等学校:14.3%(5,108/35,680)
平成28年度公立学校教員採用選考試験の実施結果(詳細)

受験対策・学習法ほか

教員採用試験は基本的に1次試験と2次試験で構成されています。筆記試験中心の1次試験で受験生を最終合格者の1.5倍~3倍にまで絞り込み、1次試験に合格した人だけが、面接や論作文、実技中心の2次試験に進むことができます。試験結果は、上位者から順に教員候補者名簿に登載され、教員需給を調整した上で候補者名簿の中から採用内定が出されます。したがって、 最終合格者数が教員需要数を上回った場合は採用されないことになります。候補者名簿は1年間有効で、採用されなかった場合でも、その期間内に教員の欠員が生じたときには採用されることがあります。しかし、採用がなかった場合は、次年度の試験を再受験しなければなりません。
最近では、その年度の採用試験において候補者名簿に登載されながら採用されなかった者に対して、次年度の1次試験を免除するといった特別な措置をとる都道 府県(市)が増えてきています。
採用内定者については、市町村教育委員会や学校長による面談を行った後、本採用・赴任校が決定します。 
教員採用試験は、都道府県(市)ごとに行われる試験ですので、例えばA県で採用された後、B県に転居して公立学校の教壇に立つには、再度B県の採用試験を 受けなければなりません。




現在の教員採用試験は、長期的な採用増加期に入っており、これに伴い、競争率も低下していますが、採用状況は地域差が大きく、必ずしも採用者数が増えているわけではありません。
試験傾向では、小・中学校については、総則や道徳、特別活動の部分をしっかりと読んで理解しておくことが必要です。また、学習指導要領に関する出題は教職教養の中でも特に多いので、改訂のポイントや変遷の流れを十分に押さえておかねばなりません。教育法規については、当然のことながら全ての学校に共通に関わる分野ですので全般的に学習しておく必要があります。 
この他、 教員採用試験では実技を課す自治体が少なくありません。小学校の教員の場合では、水泳や音楽の実技が課せられます。

受験対策は、まず志望する都道府県(市)の過去問題を徹底的して解いてみることでしょう。自分の現状の知識が確実なも のか、またそれで間に合うのかがはっきりします。また、そこで見えてくるものがあるはずです。他には、パソコン操作です。パソコンの普及に伴い、中学校や高校の採用試験で多く取り入れられています。エクセルのグラフ作成、ワードでの文字入力、編集など、基本操作が行えるようにしておく必要があります。専門科目の試験では専門としての能力がみられることになりますが、大事なのは技術力を十分に発揮できるかどうかでしょう。例えば、美術なら、作った作品が成績そのものになります。試験対策としては、総じて1日平均2~3時間程度の勉強は必要となります。
教員採用試験の対策は「過去問」の攻略法が一つのポイントになりますので、まず攻め方を考えねばなりません。過去問集は出題傾向をつかむために最初は2,3年分をやってみます。どのような問題が出題されているかを出題項目と比べて分析します。参考書を使う場合には参考書とも比べてチェックします。分析した結果、おおよその重点項目(過去問に何回も出ている問題や項目と範囲内で解答できなかった項目、解答を間違った項目)がピックアップできたら、重点項目として絞った範囲の過去問を腰を据えて解いていきます。最低5年分は必要です。できたら10年分を6か月位のスケジュールでいけるところまで解きます。間違ったところ、分からなかったところは参考書で調べながら解くことに徹してください。

私立学校の教員を目指す場合は、学校ごとに募集・選考を実施しますので、各自で直接学校に問い合わせたり、採用を申し込んだりすることになります。試験の評価は教職教養と専門科目をそれぞれについて4段階で評定します。また、私学協会が、教員志望者を都道府県別に名簿に掲載したり、採用を希望する私立学校へ志望者の情報を提供したりする場合もあり、またそれも都道府県によって対応や方法が異なるため、直接該当する私学協会で確認するのが確実です。

受験資格

試験を行なう都道府県又は市によって独自の年齢制限が定められています。
●公立学校
・大学・短大卒業見込み者(教員免許状取得見込み)
・大学・短大既卒者、講師経験者、社会人(教員免許状取得)
・他県を志望する現職職員
・通信教育で教員免許状を取得した人
・教員資格認定試験で教員免許状を取得した人(小学校、特別支援学校)

試験方式

●公立学校 
大半の自治体が二段階で4つの試験(筆記、面接、実技、適正)を実施して選考を行っています。
1.筆記試験(教職教養、一般教養、専門教養)  
2.面接試験(個人・集団面接、集団討論など) 
3.実技試験(小学校の音楽・体育、中高の音楽・美術・保体・家庭・英語などが中心。全員に運動能力テストを行うところもある) 
4.適性検査(クレペリン検査、YG検査、MMPIなど)
・原則として1次試験と2次試験に分けられますが、1次試験のみのところもあります。
・2次試験は、面接と論作文、実技が中心で、教師としての適性が評価されます。
※英語や情報技術などの有資格者やスポーツ・芸術などの分野で優れた能力・実績を有する者や、担当する教科・科目に関する専門的な知識・経験・技能を有する者には、特別選考制度や一部試験の免除などの規定が設けられている場合があります。

●筆記試験
筆記試験は大きく「一般教養」「教職教養」「専門教養」「小論文」の4つに分けられます。
・一般教養:出題ジャンルは「教科問題」「時事問題」「一般常識」に分かれています。
・教職教養:出題分野は「教育原理」「教育法規」「教育心理」「教育史」「教育時事」です。
・専門教養:受験者の志望教科、校種に関する専門知識と教科に応じた指導要領や指導方法。
・小論文:小論文を実施している自治体もあります。教員としての人格がチェックされます
●面接試験
・個人面談:面接官の質問に答える形式。教職教養に関する質問、具体的な指導の在り方など。
・集団面接:複数の面接官がいる。受験者の「協調性」がチェックされます。
・討論:少人数のグループ討議で、受験者のコミュニケーション能力、協調性などを判定。
・模擬授業:限られた時間で教室内での指導を受験者が実演する模擬授業。形式は様々です。
●実技試験
 面接官の前で実技を披露する試験。特に美術・保健体育・音楽・家庭科・英語などの教科。
●適性検査
 単純な作業を繰り返して作業効率性や正確性をチェックするクレペリン検査や性格検査など。

試験科目

●公立学校
・1次試験:主に教養試験・専門試験といった筆記試験が行われます。論作文試験や面接試験、実技試験を 実施する場合もあります。
・2次試験(公立学校):主に面接試験論作文試験実技試験が行われます。都道府県(市)によっては教養試験や専門試験を実施する場合もあります。
※公立学校の場合の主な試験内容
(1) 筆記試験(教職教養、一般教養、専門教養など)
(2) 論作文(筆記による面接試験)
(3) 面接(個人・集団面接、集団討論など)
(4) 実技(小学校の音楽・体育、中高の音楽・美術・保体・家庭・英語などが中心。全員に運動能力テストを行うところもあります)
(5) 適性検査(クレペリン検査、YG検査、MMPIなど)

●私立学校
(例)教職教養(50分)・専門科目(80分)
 国語・世界史・日本史・地理・政経・数学・物理・化学・生物・ 家庭・英語

スケジュール

試験実施/結果発表日(試験時期は自治体ごとに異なります)
①願書提出:3月下旬から4月に出願期間開始
②1次試験:6月~7月頃
③1次試験合格発表:7月下旬~9月上旬
④2次試験:8月~9月頃
⑤2次試験合格発表:10月
【合格の場合】最終面接を経て赴任校が決定:11月~12月教育新聞電子版

2023年度実施 教員採用試験日程一覧 

試験会場

試験を行なう教育委員会によって異なります。

受験料

無料

問い合わせ先

・都道府県および主に政令指定都市の教育委員会

・文部科学省  http://www.mext.go.jp/
 総合教育政策局教育人材政策課
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
   TEL 03-5253-4111(代)

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