資格名

配管技能士
試験名:配管技能検定

資格の種類

国家技能検定(名称独占資格)

主催者

都道府県職業能力開発協会

資格試験の概要

配管技能士は、国家資格である技能検定制度の一種で、給水管・排水管・ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など建築物の配管工事の技能を認定する国家資格です。配管技能士は1級から3級まであり、1級は上級技能者、2級は中級技能者、3級は初級技能者と位置付けられています。
技能検定試験は都道府県職業能力開発協会が実施しますが、試験は学科と実技からなり、「建築配管作業」と「プラント配管作業」に区分されています。一般的な配管工は「建築配管作業」を受験することになります。技能検定に合格すると1級は厚生労働大臣名の、2級及び3級は各都道府県知事名の合格証書が交付され、技能士を称することができます。尚、資格の表記は「1級配管技能士」、「2級配管技能士」、「3級配管技能士」になります。

※配管技能士(建築配管作業)の資格所持により、以下の資格試験で科目免除や受験資格等の条件が得られます。
・甲種消防設備士受験資格 (受験資格)
・液化石油ガス設備士講習 (講習科目の内一部科目免除)
・浄化槽設備士(受験資格)
  2級においては平成16年以降は通算4年以上の実務経験を有する者に限る.
・作業環境測定士試験(受験資格) 
  技能検定後1年以上労働衛生に関する実務経験を有する者に限る。  
・ガス溶接作業主任者試験(受験資格及び一部の試験科目受験免除)
・1級・2級管工事施工管理技術検定(実務経験の条件あり(受験資格)
・建設業の主任技術者(認定要件)
厚生労働省ホームページ(技能検定制度について)



合格率・資格難易度

難易度
  1級・2級  「C」 やや易    
      3級  「D」 易しい 

【資格の難易度レベル】
学科試験は2級管工事施工管理技士を少し易しくしたような内容なので、2級管工事施工管理技士取得されている方には、技能士の学科試験の勉強もかなり楽になるはずで、ほとんど勉強しなくても学科の合格点は取れるように思います。
一方、実技試験はペーパー試験と技能試験で構成されており、技能試験は満点が60点で合格点は同じ40%です。今の現場ではほとんど電動の旋盤が使われているので、実技のネックはやはり手動での鋼管パイプの切断とネジ切りになると思います。それにハンダ溶接も最近ではほとんど使われてないのでハンダを盛る練習が必要になります。それと加工の精度、特に1級では作品がかなり複雑な形状であるため寸法取りや逃げの設定など、自分の作品つくりの最適な手順を考えておかねばなりません。

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合格率 
  非公開 30~50%(予想)

※参考データ
・技能検定(2級建築配管作業 平成24年度全国平均約53%)

受験対策・学習法ほか

試験対策は、学科試験に関しては中央職業能力開発協会の過去問集や各県の職業能力開発協会で販売されている過去問集(下記、過去問集の欄参照)を購入するか又は、三協法規出版から出ている全国管工事業協同組合連合会監修の参考書(技能検定(建築配管)ここが実技のポイント課題作成と材料取り 実技編   技能検定(建築配管)わかりやすい解説つき技能検定問題と演習 学科編 )を使って勉強するのが良いでしょう。試験は実務経験さえしっかり積んでおけば、決して難関ではなく、各級共に毎年合格率のバラつきが大きく出る試験です。
配管技能検定は、2級管工事施工管理技士の要約版のような試験なので、2級管工事施工管理技士を先に取得する手があります。この時に試験対策の勉強を十分やっておけば技能士場合の学科の勉強がかなり省けることになります。配管技能士が「技能」を認定する資格であるとすれば管工事施工管理技士は「技術」を国土交通大臣が認定する資格です。技能士の資格を取得できれば、管工事施工管理技士資格に挑戦するのも、意義のあることです。



どの建物にも給水管、排水管、ガス管、配水管、空調の換気管などがあり、それらの配管を行う配管工が必要になります。仕事は、給水管、排水管などの管を切断したり、折り曲げたりして加工し、継手という道具でつないだり、弁で固定したりします。そして水道管、給湯器、バスタブ、シャワー、ボイラー、冷凍庫、空調、空気清浄機などを取り付れば配管工事が完成します。配管技能士の資格を取得すれば、このような配管工事の仕事ができるようになるため、主に配管工事会社にて働けることになりますが、配管技能士の資格があれば、キャリアアップも可能で就職・転職にも有利になることは間違いないでしょう。

受験資格

●1級配管技能士
 学歴を問わず一定の実務経験が必要 (学歴によって実経験年数が異なる)
●2級配管技能士
  (1)職業訓練校・専門学校等を卒業で実務経験不要
  (2)3級配管技能士試験合格で実務経験不要
   (1)(2)以外では実務経験2年必要
●3級配管技能士
  なし(誰でも受験できます)

試験方式

試験は実技試験と学科試験で構成されています。
さらに実技試験は(1)作業試験と(2)ペーパーテストに分かれています。
(実技試験)
(1)作業試験:制限時間内に物の製作、組立て、調整等を行う試験です。
(2)ペーパーテスト:実際的な対象物または現場の状態、状況等について説明した設問により、判別、判断、測定、計算等を行う試験です。
(学科試験)
・都道府県職業能力開発協会が実施する試験
 ○×式と選択式により出題、それぞれ25問ずつで全50問、3級は○×式30問です。
・民間の試験機関が実施する試験
 職種によって異なります。

◆配管(建築配管作業)試験内容
【1級】
 ・作業試験:給水配管図に従い、エルボ、チーズ等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管、塩化ビニル管及び銅管の組立てを行う(試験時間 3時間50分)
 ・ペーパーテスト:配管図から材料を拾い出して、材料表を作成する。(試験時間 2時間)
【2級】
 ・作業試験:1級と同じ(試験時間 2時間50分)
 ・ペーパーテスト:1級と同じ(試験時間 2時間)
【3級】
 ・給水配管図に従い、エルボ、チーズ等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管及び塩化ビニル管の組立てを行う。
  (試験時間 2時間35分)
◆配管(プラント配管作業)試験内容
【1級】
 ・作業試験:圧力配管用炭素鋼鋼管(3B)又は硬質塩化ビニル管等をエルボ、フランジ等の管継手で組み立て、アーク溶接の仮付け又は接着によりプラント配管系統の一部分を製作する。 (試験時間 4時間30分)
 ・ペーパーテスト:アイソメ図の作成及び作業手順、スプール図による日数、工数等の見積りについて行う。(試験時間 2時間)
【2級】
 ・作業試験:1級と同じ (試験時間 4時間30分)
 ・ペーパーテスト:配管図により材料取り及び現図型取り(枝管の展開図)について行う。 (試験時間 2時間)
【3級】
 ・硬質塩化ビニル管をエルボ、チーズの管継手で組立て、プラント配管系統の一部を製作する。(試験時間 1時間45分)

●学科試験の方式
 1級:真偽法及び四肢択一法/50題 試験時間1時間40分
 2級:真偽法及び四肢択一法/50題 試験時間1時間40分
 3級:真偽法/30題 試験時間1時間
●合否ライン
技能検定は都道府県職業能力開発協会が実施する職種については、100点を満点として、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上になっています。
※実技試験と学科試験
試験は実技試験と学科試験の両方に合格することが必要です。実技試験か学科試験のどちらか片方のみ合格した場合は、次回以降は不合格となった試験のみを受検し、合格することで技能士となることができます。

試験科目

【1級・2級】
●学科試験
 ・施工法一般 ・材料 ・製図 ・関係法規 ・安全衛生 ・選択科目 ・建築配管施工法 ・プラント配管施工法
●実技試験
 選択科目
 ・建築配管作業 ・プラント配管作業
【3級】
●学科試験
 ・施工法一般 ・材料 ・製図 ・安全衛生
 選択科目
  ・建築配管施工法 ・プラント配管施工法
●実技試験
 選択科目
  ・建築配管作業 ・プラント配管作業

スケジュール

●試験実施:
  実技試験:6月上旬~9月中旬 ・11月下旬~2月下旬
  学科試験:7月下旬~9月上旬 ・1月下旬~2月中旬
●受付期間:4月上旬~中旬  10月上旬~中旬
●合格発表:10月上旬 3月中旬

  令和6年度(前期・後期)技能検定試験の日程

試験会場

指定の試験場: 各都道府県の職業能力開発協会(一部開催しない県あり)

受験料

学科試験:3,100円
実技試験:17,900円
※都道府県によって異なる場合があります。

問い合わせ先

中央職業能力開発協会 技能検定部 企画管理課  http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken_toi.html
03-6758-2861もしくは2858

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通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

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教材(過去問集)

・中央職業能力開発協会 (監修)  
 61配管 (平成28・29・30年度1・2級技能検定試験問題集)  
 技能検定学科試験問題解説集 no.2 配管 

教材(テキスト・参考書)

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関連情報

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