資格名

歯科技工士

資格の種類

国家資格

主催者

一般財団法人 歯科医療振興財団 文部科学省

資格試験の概要

歯科技工士は、歯科医師の指示に基づき、歯科治療に必要な歯科技工物の製作・修理・加工を専門とするスペシャリストです。歯科技工は歯科技工士のみに許されている独占業務であり、資格を取得すれば、実力を積んで独立して歯科技工所を開くことも可能です。もちろん歯科医院で活躍することもできます。
健康的な食生活を営むために欠かせない技術者なので、高齢化社会が進むにつれて、医療系資格として歯科技工士への期待も高まると思います。
歯科技工士になるためには、高校卒業後に厚生労働大臣が指定した養成校を卒業し、国家試験受験資格を取得、国家試験に合格すると歯科技工士免許を取得することができます。

尚、国家試験を受けるためには、文部科学大臣指定あるいは厚生労働大臣指定の歯科技工士養成機関で、2年以上の修業をして、所定の課程を全て修了することです。養成施設には、大学・短期大学・専門学校があります。修業年限は、2年制、3年制が中心です。大学のみ4年間の通学が必要となります。また学校には、全日制と夜間制があり、夜間制に通学する場合、修業年限は3年間になります。



合格率・資格難易度

難易度 
  「D」  易しい

【資格の難易度レベル】
歯科技工士の国家試験の合格率は、ほぼ100%であり、全国に50校ほどある専門学校に入学することの方が難易度が高いため、まずは専門学校に入ることが大切になります。歯科技工士の試験合格率がほぼ100%なので 落ちる人はほとんどいませんが、実地試験だけは前もって道具や模型をこしらえておく準備があります。あとは落ち着いてポカミスをしないようにすれば試験は大丈夫でしょう。なお、専門学校では一般教養科目から歯科理工学や歯の解剖学、歯科技工学の専門分野まで国家試験で課される内容に沿った学習をします。特に国家試験では歯科技工の実技試験が行われるので、学校で習う具体的なスキル習得技術が大変重要になります。
養成学校の卒業と同時に受験した新卒時の合格率は96~100%。既卒者の合格率はおおよそ80%くらいになりますので、実技試験もあり、卒業後に一発で合格しておかないと、その後は難易度が上がることになります。
--------------------------------------------

●合格率 
 令和4年度歯科技工士国家試験結果
  合格率90.7%  受験者数904名 合格者数820名

※参考データ
・令和3年度歯科技工士国家試験結果
  合格率94.8%  受験者数872名 合格者数827名
・令和2年度歯科技工士国家試験結果
  合格率95.8%  受験者数859名 合格者数823名
・令和元年度歯科技工士国家試験結果
  合格率95.0%  受験者数882名 合格者数838名
・平成30年度歯科技工士国家試験結果
  合格率95.1%  受験者数839名 合格者数798名
・平成29年度歯科技工士国家試験結果
   合格率94.7%  受験者数952名 合格者数902名
・平成28年度歯科技工士国家試験結果
  合格率97.5%  受験者数1,012名 合格者数987名
・平成27年度歯科技工士国家試験結果
  合格率99.1%  受験者数1,114名 合格者数1,104名

受験対策・学習法ほか

歯科技工士専門学校への入学試験に関しては、面接、小論文などの適性試験で落とされる人は少なからずいます。適性試験の内容は専門学校によって違いますので一概には言えませんが、面接で落とされる人はどこもおおよそ次のような理由によるものです。
①志望動機があいまい。
②挨拶などのマナーに問題がある
③意欲が感じられない
中でも多いのは①ですが、何故①が不合格になるのか、それは志望理由があいまいなまま入学する人は、授業の内容についていけずに中退する人が多いというデータがあるからです。実際に専門学校では、学生は授業や実習などでかなり忙しい毎日を送らねばなりませんので、最初の段階から、そういうことが十分に理解できていない受験生に入学されると、学校が困るだけでなく、学生本人にとっても不幸なことになる可能性があるからです。②や③は受験者が自分にとって大切な「面接試験」の場であることを理解できていれば問題はありません。




専門学校を無事卒業し、歯科技工士の新卒者として就職をする場合、多くは歯科技工所が就職先となります。歯科技工所は日本全国に約1万5000ヶ所ほどあります。歯科技工所での仕事は、歯科医院や病院から義歯や詰め物の注文を受けて、製作・納品することが中心になります。また歯科医院に就職する歯科技工士も少なくありません。ただ、歯科技工の業務従事者は平成12,3年頃から毎年減少に転じているのが実状で、特に25歳未満の歯科技工士の不足が目立ち始めています。
その一方で、高齢化社会が急速に進行しているため、若い世代の歯科技工士の数が足りなくなることは明らかです。その結果、次世代を担う若い歯科技工士の社会的な必要性が増してくることが予想できます。本格的な高齢化社会になれば、歯の一部を補ったり、失われた歯を復元する歯科技工士の技術は、ますます社会から必要とされるようになると思われます。

ただ、CAD/CAM(コンピュータによる加工技術)やインプラントなどの新しい技術が確実にシェアを伸ばしている現在、これらの技術は必ず次代の主流となっていくものと考えられますので、それに伴う高度な技術と知識を持った歯科技工士の需要がますます増化していくことが予想されます。結局、こういう現状から近い将来を考えれば、これからの歯科技工士には競争に勝ち残れるだけの、新技術・新素材を使いこなす知識と能力などが今以上に求められるでしょう。

受験資格

歯科技工士国家試験を受験するためには、指定の歯科技工士養成学校を卒業しなければなりません(卒業見込み含む)。歯科技工士養成学校には、2年制か3年制の専門学校、2年制の短期大学、4年制の大学がありますが、どの学校でも受験資格の面で差はありません。また外国の歯科技工士養成学校を卒業した人や外国で免許を取得した人、歯科医師国家試験の受験資格を持つ人も受験することができます。→ 詳細はこちら
  ①文部科学大臣の指定した歯科技工士学校を卒業した者(卒業見込みの者を含む)
  ②都道府県知事の指定した歯科技工士養成所を卒業した者(卒業見込みの者を含む)
  ③歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者
  ④外国の歯科技工士学校もしくは歯科技工士養成所を卒業し、または外国で歯科技工士の免許を受けた者で、厚生労働大臣が①~③と同等以上の知識および技能を有すると認めた者

試験方式

●実地試験(午前)
 歯科技工の実技試験
 ・出題数/試験時間:3課題/2時間(1課題30点 90点満点)
 ・合格基準:90点満点で54点以上

●学説試験(午後)
 ・試験方式:4肢択一のマークシートによる学科試験
 ・出題数/試験時間: 80問/2時間 (1問1点 80点満点)
 ・合格基準:80点満点で48点以上
   ※基礎科目群、専門科目群、どちらも30%以上の得点が必要

・合格基準
 学説試験(1問1点で合計80点満点)で48点以上、実地試験(1課題30点で合計90点満点)で54点以上と、それぞれ60%以上の得点が必要です。さらに、学説試験では基礎科目群と専門科目群にわかれ、それぞれの科目群で30%以上の得点をしていることが合格の条件となっています。

試験科目

●(午前)
    ・実地試験
●(午後)学説試験
    ・基礎科目群:
      歯科理工学
      歯の解剖学
      顎口腔機能学
      関係法規
    ・専門科目群:
      有床義歯技工学
      歯冠修復技工学
      矯正歯科技工学
      小児歯科技工学

スケジュール

●試験実施時期:2月下旬の日曜日(年1回)
●受験申込期間:12月中旬~下旬
●結果発表:3月下旬
※試験は、例年2月下旬から3月初旬に実施されます。学科試験で1日、実技試験で1日の計2日間で行われ、合否が判定されます。

 令和5年度歯科技工士国家試験日程
      試験は終了しました。

試験会場

北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県の5都道府県で実施されます。

受験料

・30,000円

問い合わせ先

・一般財団法人 歯科医療振興財団
http://www.dc-training.or.jp/index.html
〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目1番20号 歯科医師会館内
 TEL 03(3262)3381 FAX 03(3262)2179
・(東京の場合)東京都福祉保健局 TEL:03-5320-4434
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/

※各都道府県にお問い合わせください。

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

-

通学スクール・講座

歯科技工士教育機関一覧

教材(過去問集)

歯科技工士国家試験問題集一覧 

教材(テキスト・参考書)

歯科技工士国家試験教材一覧

【歯科技工士国家試験 おすすめ教材】
歯科技工士国家試験問題集2023年版

関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
 歯科技工士国家試験受験資格の認定について

●関連資格
 歯科衛生士  
 介護福祉士